定期積金は保全の手段としては有益かもしれませんが、毎月一定の金額を集金もしくは自動振替出かけていく為、掛け金が大きければ、その分資金繰りの圧迫要因となりかねません。
資金繰りが厳しくなり、今までかけてきた定期積金を運転資金で使えるようにしようと解約を申し出ても、銀行からは抵抗されがちです。そのまま解約が面倒だと放置すると、、、より資金繰りを圧迫してしまうのです。
特に融資実行時には、定期積金を結構な頻度で勧められます。無理に企業に定期積金を作らせることは、銀行の優越的地位の濫用となるとはいえ、経営者としてはなかなか拒むことができないものです。
例えばある信金に毎月50万円の返済をしている企業が、定期積金を30万円かけていたばあい、毎月の流出金額は80万円になります。それで資金繰りが厳しくなっているとしたら、何をしているのか分かりません。
また、定期積金は満期が来たら、それを払い戻ししなければそのままです。そして銀行はその満期がきた定期積金を定期預金に移行するような勧誘も多いのです。
銀行から言われるがままに定期預金に振り替えていくと、銀行としては保全の強化となります。
つまり、定期預金は普通預金や当座預金と違って自由に使いにくいため、企業が融資の返済ができなくなった時に、差し押さえしやすいものの一つなのですよ。
定期積金のキッカケが自分の意思ではなく、銀行のセールスの場合、その大きな掛け金が資金繰りの悪化を招き、また銀行から言われるがままに定期預金に振り替えた場合、いつの間にか定期預金の金額が膨らみ、銀行にとっても保全を強化できた形となります。
信金や信組が定期積金を掛けてほしいと言ってきたその目的が、毎月の訪問のキッカケとしてであれば、できるだけ毎月の掛け金は小さくし、満期が来たらすぐに定期預金や当座預金に振り替えるように心がけてくださいね。
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