貸借対照表(バランスシート)の最も重要な役割は、会社の財政状態を明らかにすることです。決算日時視点での「資産」と「負債」と「純資産」の残高を表示することで、その会社の財政状態が数字で明確に提示されます。
もう一度申し上げます。貸借対照表を見ると、その会社の”財政状態”が”数字”で”明確”に提示されるのです。お金を貸す側の気持ちになればご理解いただけると思いますが、当然、財政状態が良好な会社にお金を貸したいものです。
逆に、財政状態が悪い会社には・・・分かりますよね。
御社の現場担当者が貸借対照表を読める方かどうかは分かりかねますが、融資の決裁を下す方々はしっかりと呼んでいるでしょう。
例えば、貸借対照表を見ると、「設備投資の適正規模」が分かります。
貸借対照表、BS(バランスシート)の下半分の左右、すなわち「固定資産」と「純資産」を比較します。固定資産(建物、土地、車など)は、現金化して回収するまでに時間がかかります。このことを「お金が寝る」とも表現しますが、寝ているお金が調達した資金と比べて多すぎると、「資金繰りに悪影響を与えている」ことが分かります。
これを調べるために、固定資産と純資産を比較し、純資産が固定資産よりも多いかどうかをチェックするのです。ちなみに、純資産は、他人への返済不要な資本のことであり、「自己資本」とも呼ばれます。
固定資産よりも自己資本(純資産)の方が多い場合は、その分、会社の運転資金として活用できるので、設備投資は資金繰りに悪影響を与えないと判断できるのです。
⇒固定資産<自己資本
ただし、創業間もない会社の場合は、資本金も利益剰余金も少ない為、固定資産のほうが大きい場合が多いです。このような会社の場合には、固定負債と純資産の合計と、固定資産を比較し、固定資産のほうが少なければ資金繰りは問題ないと判断できるのです。
⇒固定資産<自己資本+固定負債
固定資産のほうが少なければ、「自分のお金(自己資本)」で設備投資をしている証左であり、借入金の返済等にもリスクが少ないと銀行は見てくれるわけですね。
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