事業計画書を書く際には、まず、経営理念を明らかにする必要があります。
経営理念とは、社会にどうやって貢献するかを明らかにしたマニフェスト、企業が社会の中で果たすべき使命を記述した宣言です。
もっと簡潔に言うならば、企業の存在意義です。
あなたは、企業活動を通じて、従業員と共に、何を成し遂げたいのか?
これを文章にしたものこそが、経営理念なのです。
例えば、世界で最も賞賛された会社であるアップルは、その最盛期において次の経営理念を掲げています。『技術革新においてPC業界をリードし、デジタルメディアにおいても、革命の先頭に立ち続ける』いかにもアップルらしい経営理念ですね。ジョブスの良心と生き様が伝わってきます。
経営理念が企業の存在意義だと思って再度読み返すと、趣深いですよね。
さて、事業を伸ばすためには、ひとつのゴールに向かって戦力を集中し続けることが、とても大切です。
才能のある人ほど、ひとつの事業でちょっとうまくゆくと他のことに手を出したくなります。しかし、余程の経営の大天才は別にして、それではなかなか事業は伸びませんし、利益も増えません。
創業者が一代で大企業まで成長させた会社は、みな、ひとつの事業に集中しているものです。
経営理念がしっかりしている会社は、目的地が分かっている旅行のようなもの。逆に経営理念がない会社は、目的地が分からない旅行、、、ミステリーツアーです。
その目的地までの到達手段こそが「経営計画」なのです。
根拠のある経営計画を立てようとするならば、その目的地である経営理念がないと、本来、計画を立てようがないのです。
例えばあなたが道案内をするときに、どんな情報が必要でしょうか。2つあります。
1つは目的地。2つ目が現在地です。
例えばいま私は富山県に住んでいます。これが現在地。これだけでは道案内ができません。
逆に、私は東京タワーに行きたいです。これが目的地。目的地だけでも道案内はできません。
私は今、富山県にいて、東京タワーに行きたいです。と表明するからこそ、車、電車、飛行機、レンタカー、ヒッチハイク、ロードバイク等々、様々な「行き方」が分かるというもの。
事業は手段です。何をすべきか分からないのは、目的地がないからです。
まずは経営理念をしっかり作りましょう。
そうそう、経営理念も最初から完璧なものを創ろうとはなさいませんように。
企業と経営者の成長と共に、経営理念も成長するからです。ですから考えこみすぎず、まずは経営理念を打ち立てることから始めましょう!
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