『医療保険は要らない?』

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「今の保険の担当者に医療保険は必要ないと言われました。」・・・、この言葉、たまにお客さんから耳にします。

それも一見シュッとしている、仕事の出来そうな保険セールスが言うケースが多いようで、彼らは私が批判の対象にしている、顧客に不利益を与えるような商品を売っているわけではありません。

彼らは正しい商品群を扱っているケースが非常に多いです。

医療保険不要論の根拠として多いのは、「生命保険会社の医療保険について、「入院日額5千円で1入院60日型なら、5千円×60日=30万円」になりますが、毎月の保険料が5千円なら5年で貯まりますので貯蓄で十分です。 」のような台詞でしょうね。

お客さんからすれば、「え、保険屋って何が何でも売り込んでくるものだと思っていたのに、この人は違う。不要なものは不要とちゃんと言ってくれるんだ!」とその担当者を信じやすくなるのです。

まあ私も元外資系生保に所属していましたから、この種の小手先の心理テクニック(顧客に信頼してもらうためのテクニック)はよく聞いたものです。

しかし、これは明確に否定しなくてはいけません。

上記のようなトークの厄介な所は、”理論的には”正しいところなのですよ。

理論的には全~~~~~く間違っていません

確かに、月々の保険料が5000円ならば5000円×12カ月×5年間=30万円なので、毎月、しっかりと貯蓄さえできれば医療保険から貰える給付金分の貯蓄は可能でしょう。

理論的にはどこも間違っていないのです。

では、ここで1つ想像してほしいのです。

このように言われたお客さまは、「なるほど、確かにそうだな。ではこれから毎月、病気のために5000円の貯金をしよう!今から銀行に行って、定期預金しにいこう!」と行動に移ると思いますか?

医療保険の保険料である5000円が浮いたからと言って、その分を律儀に貯蓄に回すでしょうか?

99%の消費者の方は、”今まで通りの生活”を送られることでしょうね。実際この言葉を言われた人で「毎月、律儀に5000円貯蓄しています」と回答された方は皆無ですから。

論理的には合致していても、それを実際に行動にまで落とし込む人はほとんどいないでしょう。

ここで、さらに想像してほしいのです。

このように”論理的に正しい”ことを言われ、納得し、医療保険に加入しなかったお客さまが実際に入院・手術を経験した場合はどうなるのでしょうか。

入院・手術した場合専用の貯蓄をしていた方を除いて、多くの人が自分の資産を減らす、もしくは生活費の減少を経験するのではないでしょうか。

今の日本は、経済格差が年々大きくなり、貯蓄ができない世帯が急増しています。

貯蓄のない方が、医療保険に加入しないままに入院・手術をした場合は、どうなってしまうのでしょうか。

医療保険不要論を相手の都合を考えずに平然と口にする保険セールスは、そこまで思考を巡らせているのでしょうか。

人には人の、それぞれの生活があり、価値観があり、思いがあります。

人はそれらに則って、自分のかけがえのない人生を送っているものです。

もちろん、殊更に不安を煽って保険商品を販売することはもってのほかです。

だからと言って、実際の生活を想像することなく、合理的・論理的にのみ正しい言葉で顧客の不安を解消してしまうのは、何ともおかしい話です。

私の身体は両親が丈夫に産んでくれたおかげで入院・手術を要するような病気を一度も経験したことがないため、私自身の潜在意識としては「自分は病気をしない」と思っている節があることは正直に認めます。

病気をしないと思っている人は、医療保険なんて必要ないと考えてしまいがちです。なぜなら本当に病気にならなかったとしたら、合理的・論理的に考えれば、医療保険に加入するのは勿体ない行為ですからね。

だから初めて医療保険不要論とその根拠を聞いた時、違和感を感じながらもしっかりと反論できない自分が居ました。

しかしこの仕事を続けていくなかで、契約者の方から医療保険の給付要請を受けたり、仲間からお客さまの病気事例を訊いたりする中で、世に蔓延る医療保険不要論とその根拠には血が通っていないことが腹落ちしました。

合理的・論理的には正しいけど、現実社会には適応していないのです。

だって、人間はそんないつもいつも、割り切って生きていませんもん。だから人間なのです。

ご飯を作らなきゃいけないのにゴロゴロしちゃったり、早起きしなくちゃいけないのに夜更かししちゃったり、ダイエットしたいのにご飯を食べすぎちゃったりするものなんです。

医療保険の5000円が浮いたら浮いたで、使っちゃう時もあるのですよ。

それが悪いと言っているわけではなく、人とはそのようにいつも論理的・合理的に生きていける人間ではないということです。

かくいう私も、昨日、早くお風呂に入って寝なきゃいけないのに、ず~~~っと本を読みながらゴロゴロしちゃいましたもん。

そんなものです。

私は自分が、合理的な人間ではないことを分かっているので、医療保険に加入しています。

先ほども申し上げましたが、どこか内心では病気にはならないと思っています。95歳まで元気に生きてポックリ天国に行くと決めてるくらいですから。

「人は誰だって、平等に病気になる可能性がある」というのが、正解ですからね。

合理的だけに生活するのではなく、自分の生活スタイルに合わせて生きていくのが正解なのではないでしょうか。

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