日経新聞「イデコ税負担、周知不足」について

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 先日、日経新聞にこのようなタイトルの記事が掲載されました。

 「イデコ税負担、周知不足 退職金で控除枠使い切る恐れ」

 イデコとは「制度」の名前であり、毎月の投資金額と運用益が非課税(年収によって投資額の非課税枠は異なります)になり、60歳まで受け取れないとはいえ、非常に大きな税制の優遇措置が取られています。

 年金2000万円不足問題なんかも記憶に新しいですが、良いことばかりが声高に主張されていますので、ちょっと注意が必要です。

 先ほども申しましたがイデコはそもそも「制度」の名称であり、金融商品ではありません。

 また、正式名称はiDeCoですが文字の変換が面倒なのでイデコで統一させていただきます。

 どの「金融商品」を「イデコ」という制度の中で運用すると最大のパフォーマンスを得られるのかという視点で考える必要になるわけですが、個別の金融商品については割愛します。

 興味のある方は、聞いてくださいね。

 私も金融マンの端くれであり、こういったことは正しく認識しておかなくてはならないので、今一度私自身の再勉強も兼ねてお話します。

 ネットで「分かり易い解説をしてくれている人はいないかな~」と探していると、ちゃんと見つけましたのでそちらをご紹介したいと思います。

 以下を読んでいただければ、イデコの制度と税金についてのキホンはご理解いただけることでしょう。

 そもそもイデコの受取条件は、①60歳以降に、②運用期間が10年以上、この2つの条件を満たすと、それまで積み立てたお金を受け取ることができます。

 ここで知っておくべきことは、60歳時点で積み立てたお金を必ず受け取らないといけないということはなく、70歳まで(2022年以降は75歳まで)運用することも可能です。

 その間に運用して出た利益も非課税です。

 実際、運用益に対しては約20%の税金がかかっちゃうので、かなりパフォーマンスの向上に寄与してくれます。

 そして続いて、イデコの受け取り方についてご紹介します。

 ①積み立てたお金+運用益を一括で受け取る方法

 ②5年以上20年以下の期間を選択して、年金として受け取る方法

 ③一部を年金で、一部を一括で受け取る方法

 この3つなわけですが、今回の日経の記事で問題とされているのは①の一括受け取りの場合ですね。

 要は、受け取り方によって、「課税金額」が変わってくるのですよ。

 一括受け取りの場合は、退職所得になるため退職所得控除が使えます。

 退職所得控除とは、Aを積み立てた年数として計算すると・・・

 ①積み立てた年数が20年以下 → 40万円×A

 ②積み立てた年数が20年超 → 800万円+70万円×A

 仮に30年積み立てた場合は、

 800万円+70万円×(30-20)=1500万円が退職所得控除となるのですが、これらは積み立てた”期間”にのみ起因しますから、イデコで受け取る金額が1500万円以下であれば全て非課税で受け取れるわけです。

 すごいですね~。

 しかし、ここで問題が少しだけ複雑になるのが会社から受け取る「退職金」が絡んだ場合。

 退職金とイデコを受け取るタイミングを同じにしちゃうと、「2つの合計金額(退職金+イデコ)-退職所得控除(上記の例であれば1500万円)」で計算します。

 例えばイデコと退職金がそれぞれ1500万円ずつ受け取った場合、差額の1500万円は「課税所得」に分類されるわけです。

 正確にはこの1500万円の2分の1に対して課税されるので、全額が課税されるわけではありませんが。

 しかし、もしかすると、イデコを受け取る時期と退職金を受け取る時期をずらすと、支払う税金をうんと減らすことができます。

 イデコと退職金の2つで老後資産を築いた場合、できるだけ税金を抑える方法があります。

 それは、イデコを受け取った5年後に、退職金を受け取るようにすること。

 たったこれだけでいいのです。

 なぜなら、退職控除にはこんな嬉しいルールがあるから。

 「4年以内に他のものから受け取った退職金が存在する場合、勤続年数の重複している期間を退職金控除に含まない」

 分かり易く言えば、退職金控除は5年以上の期間を空けると、その枠が全額復活するのです!

 さすが、日本のお役人さんがご自身のために考えた「退職控除」には隠れた素晴らしい制度が存在するものです。笑

 つまりね、60歳でイデコを受取り、5年後の65歳時に会社からの退職金を受け取れば、イデコの受取も退職金の受け取りも、退職控除枠がそのまま使えて非課税枠が急増するわけなのです。

 ただ、ここで要注意!

 この順序(イデコ→退職金)が逆(退職金→イデコ)の場合、この退職金の控除枠に調整が入ります。

 逆の場合は5年ではなく、14年なのです。

 こういったことを加味しながら、「イデコ」という「制度」を上手に活用していく必要があるのです。

 ちなみに私は前職の会社ではDC(企業型拠出年金)はやっていましたが、今はDCもイデコもやっていません。

 めちゃめちゃ優れた制度なのでいずれやろうかなとは思っていますが、私自身、まだそのステージではないなと思っています。

 でもね~、こんなことを書いているうちにまたひしひしと「マトモな担当者がいることの重要性」を感じましたよ。

 金融だけでなく、どのジャンルにしろ、勉強すればするほど、「専門家」や「プロ」の担当者の存在がいかに不可欠かを痛感します。

 というよりも、自分自身の力のみでは、限界があります。

 私自身、例えばスーツの仕立てに関しては、「自分の要望」は全く言いません。

 完全、任せきりです。

 だって、自分の要望を出すと、結果的にダサくなっちゃうから。

 プロに全部お任せです。

 金融業界において、顧客から見て私自身がそのような位置になれるよう精進する必要性を痛感しましたね。

 そうそう、最後に1つだけ。

 このメルマガではイデコと退職金を絡めた税金面でのいわゆる「出口戦略」をご紹介しましたが、最も大切なのはあなたの人生設計、そして受取時の実際の生活です。

 60歳から受け取る予定だったイデコの運用がたまたまマイナスだった場合は、受取を後にずらしたほうがいい場合もあるかもしれません。

 退職金が60歳で支給されることもあるかもしれません。

 一括で受け取る必要がなく、年金受け取りで十分かもしれません。

 将来のことはだれにも分からないし、今、ここで、その「受け取り方」まで決める必要はないのです。

 でも、分からないからこそ、「いつ、なぜ、そのタイミングでイデコを受け取るのか」を正しく見極める知識と精神が大事になります。

 多少税金を支払ったほうが、「あなたが安心して生活を送ることができる」のであれば、そちらの方がいい場合もあるでしょう。

 なんでもかんでも、損得勘定だけで考えると、後から必ずしっぺ返しを食らいますもん。

 一番の出口の戦略は、イデコと退職金の時期をずらすことでも、年金受け取りすることでもありません。

 安心した生活を送るための受け取り方を「あなた自身が選択できること」です。

 そのためには今回の税制面だけでなく、ファンド選びも重要になってくることでしょう。

 今と将来の幸せの実現のために、「この人に任せたい」と思えるプロを見つけてくださいね。

 お金についてせっせと勉強するよりも、経済的にも、精神的にも、きっと有意義な生活を送ることができると思いますよ。

 何より「自称専門家」に騙されることもなくなります。

 最後に、、、

 こうやって文章に落とし込むことで、またまた私自身の勉強になりました。

 読者の皆さまのおかげです。

 ありがとうございました!

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こんにちは。 生命保険見直しクリニック 院長の西友樹(にし ゆうき)と申します。 当院は、あなたの生命保険を治療し、無駄な保険料を2000万円削減致します。 浮いたお金は、ご家族の楽しみや幸せの量を増やすためにご活用ください。