『複利の効果はスゴイ!』

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 かつてアインシュタインはこのような言葉を残しています。

「複利は、人類最大の発明である」

 

 よくマネーセミナーを開催するFPや、リスク性金融商品を販売している人は、その商品を販売するために「お金に働いてもらいましょう」といった意味の言葉を口にします。

 

このお金に働いてもらう、という言葉の真意は、「あなたの金融資産を、金利の力で複利で運用しましょう」という意味なのです。要は、お金を複利で運用できる金融商品を購入すれば、とてつもない効果を得られますよ、と言いたいのです。

 

 相対性理論を構築した、誰でも知っている天才物理学者であるアインシュタインが、複利のことを人類最大の発明と言ってくれているわけですから、さぞ効果は凄いのでしょう。

 マネーセミナーをやっている人は、彼の言葉を引用しているかもしれませんね。なんせ、インパクトが大きいですから。

 

 私は大学で数学を専攻していたと言っても、言うまでもありませんが彼の足元にも及びません。彼の知能指数と比べれば、私の知能指数なんて0.00000001%くらいなものでしょう。

 そんな私が、彼の言葉を否定するのかというと・・・

 

 一切そんなことはありません。複利の効果はもう、とてつもなく素晴らしいです。

 

 しかしながら、資産運用や積立投資の世界において、「複利による効果を当然のように享受できる」と謳う金融商品販売従事者に私は警鐘を鳴らしているのです。

 

 そもそも、複利とはなにか。簡単に解説しておきましょう。

金利には、“単利”と“複利”の二種類あります。

 

単利:元金(もともとのお金)にのみ、利息が付くこと。

例)元金 100万円、単利10%

1年目:元本100万円に利息の10%(10万円)がついて、110万円。

2年目:元本100万円に利息の10%(10万円)が1年目の残高に追加されて、120万円

3年目:元本100万円に利息の10%(10万円)が2年目の残高に追加されて、130万円

・・・(以下、略)

 このように、単利の場合は元本にのみ利息がつきます。

 

 一方、複利の場合、元本だけでなく、利子にもまた利子がつきます。

例)元本 100万円、複利10%

1年目:100万円に利息の10%(10万円)がついて、110万円

2年目:110万円に利息の10%がついて、121万円

3年目:121万円に利息の10%が付いて、133.1万円

・・・、以下同様の計算が続きます。

(※これらは単に単利・複利の計算を例で示したものであり、単利だろうと複利だろうと固定金利10%で金融商品は現在存在していません。)

 

「え?単利も複利も大きな差はないんじゃない?」と思ったあなた。この複利を20年、30年と続けると、とんでもない違いが生まれます。

 

20年後、単利10%の世界では、100万円がどうなっているのかというと、300万円です。(これでも十分すごいですが)

 

しかし、一方、複利の世界になると、100万円が約670万円になるのです!これが20年ではなく、30年経過すれば、さらにスゴイですよ。

 

単利の世界では、100万円は400万円になりますが、複利の世界では、100万円が約1,750万円にもなるのです!

 どうですか?複利の効果ってものすごいでしょう?

 

株や投資信託といったリスク性商品を購入した人も、“複利で運用さえできれば”上記と同じような効果を享受できるわけです。(税金や販売手数料を考慮しなければですが)

 

 投資信託や変額保険等、リスク性商品を販売する人はしばしば、このような単利と複利の違いを使って商品の優位性を説いてきます。しかし、これは、“毎年”、“複利で”運用できたとしたらという仮定でしかありません。

 

 これらの効果が約束されるのは、“固定金利”が10%だったときだけであり、現在はそのような金融商品は存在しません。(2%だろうと、5%だろうと、存在しません)

 

 もし、数字や図を使って、「複利で運用するとこんなに増えるんです!」なんて一見プロの人に言われたら、信じちゃう人も多くいらっしゃるでしょうし、現に沢山います。

 

 複利の効果自体は嘘ではありません。複利の計算の上では、あくまで数字上では、真実です。

 

 しかし一番問題なのは、現実問題として、複利○%で運用したらこうなるという結果を用いて、あたかも『リスク性の金融商品を購入したら、あなたも同じような結果を得られますよ』と誤認させるセールストークにあると考えています。

 

 一言で言ってしまえば、将来のことは分かりませんからね。目の前にある資料に書いてある数字(それも過去の数字と、このように運用できたらという仮定の数字)でしか判断はできません。

 そして、人は、それっぽい資料に書かれた「○%で運用できた場合、△△万円」といった数字を見ると深層心理で「自分もそのような結果が得られる」と思ってしまうものなのです。

 

 私自身、同様の資料は何度も見たことがありますし、本書を書いている私でさえも、その数字しか見ていなかったら「あぁ、こうなるのか」といった錯覚を起こしてしまいそうになります。

 

 しかし、冷静に考えても見てください。

 本当に、こんなことが可能なのであれば、なぜ銀行は史上最低の低金利を続けているのでしょうか?

 本当に複利でずっと運用できるのであれば、銀行も自分でリスク性商品を購入して、複利運用をして、低金利を脱却すればいいはずです。

 

 10%という高いパフォーマンスを出せなくても、せめて3%で運用できれば現在の超低金利からは脱却できるでしょう。

 

 また、なぜ年金が目減りしているのでしょうか?

 年金は、GPIFが、株や債券等に資金を振り分けて運用している機関ですが、本当に複利で年金原資が増えていくのであれば、年金問題なんて一切なくなるはずです。

 年金受給時期の引き上げについての議論だって、起こるはずがないのです。

 

 要は、複利○%での運用が継続して可能かどうかは、常識として考えて頂きたいのです。

 

 ※複利での運用が不可能だと言うわけではありません。セールスマンが口にする言葉を安易に鵜呑みにしていただきたくない、という意味合いで捉えてください。

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