保険は99%が外れる宝くじ・・・?

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私は社会人になりたてのころ、ある大手漢字生保に勤めていた旧知の友人(といっても、中学校卒業ぶりに連絡を取ったのでとても久しぶりでした)から「保険の話を聞いてくれないか」といった旨の連絡を受けました。

まあ今となっては何ともベタな勧誘だなぁとシミジミと思いますが、まぁ何はともあれその友人と会ったわけです。

とは言え、社会人になりたての、独身の、男です。

今でこそ私も生保セールスですが、当時の私は保険に対する興味なんぞ1ミリもありませんでした。

「保険?そんなもんにお金を使うくらいなら、自分のために使ったほうがいいじゃん!」と平気で思っていましたし、今でもそれは”普通の、一般男性の”持つ感覚だなぁと思います。

まぁそう思いながらも、「そうは言っても社会人だしなぁ。保険くらい入っておいたほうがいいのかなぁ。」という根が生真面目な、心の声も聞こえてきます。

「自分のために使いたい!」という私欲まみれの私と、「社会人なんだから、保険くらい入っておけよ!」という生真面目な私の心の声の葛藤がその日から始まったのです。

社会人になりたてとは言え、保険業界に対して根拠のない不信感は日本人の平均的には持ち合わせていましたが、周囲に詳しい人も居ませんでしたしね。

そこで本屋さんで偶然見つけたこの本、「保険会社が知られたくない生保の話 後田 亨著」を発見して、手に取ったのです。

この本は、現役生保マンである後田氏が執筆した本で、過去の著作歴の一覧を見ても、「保険に騙されるな!」系のタイトルが多いようです。

こういった本は「内部からの告発本」のように見えて、ベタに”信用できそう!”って思うじゃないですか。その戦略にまんまとハマって(悪い意味ではなく)、そして保険加入を検討していたので、私も購入したのです。

それで、この本を昨日、お部屋掃除をしていたときに偶然発見したので、パラパラとめくって読んでみたのですが、いくつか誤解を受けるだろうなと思う点もあったりしたのです。

特に、最近はFPで「保険そのもの」を否定する立場を取る人を良く見ます。

私も常々、値札を提示せずに販売する保険セールスや顧客に不利益を与えるばかりの商品を開発する保険会社には怒りを持っていますが、それでも「保険そのもの」に対しては肯定しています。

生命保険という商品自体を肯定しているからこそ、不適切な販売姿勢のセールスや保険会社に対して強い憤りを感じるわけなのですよ。

今は「積立投資」全盛の時代ですから。

世の中の平均的なFPの思惑としては、生命保険にかけるお金を少しでも減らしてもらい、積立投資に回してほしいのでしょう。(後田さんがどうかは存じ上げませんが)

例えば生命保険を否定的に捉える立場の人がよく口にする表現に「保険は99%が外れる宝くじ」というものがあります。

ご紹介した後田さんの本にも書いてありましたので、ちょっとだけ引用させていただきます。

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「保険は、当たらない『宝くじ』や競馬の『馬券』のようなもの、宝くじや馬券を買い込んで、『いつかきっと当たるから、何があっても安心』とする人が居たら問題でしょう?』

セミナー等で、こんな発言をするとお客さまには「わかりやすい!」と言ってもらえます。その代わり(?)保険販売に関わっている人たちには嫌われます。

しかし、私はウケ狙いの発言をしているのではありません。保険の契約に絡むさまざまな思いをいったん横において、虚心にお金の流れを見ると、やはり宝くじや競馬に似ていると思わずにいられないのです。

それは、端的に言うと、「賭けに負ける人たち」が支える仕組みです。(引用終わり)

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・・・これを読んで、あなたはどう感じましたか?

後田さんは「ウケ狙いではない」と仰っていますが、ウケ狙いではないのだとすると、随分お粗末な意見だなぁと思わざるを得ません。

「保険販売に関わっている人から嫌われる」と言っていますが、テクニック的には消費者からの信頼を得やすい書き方をしていますが、本質から随分とかけ離れた論を展開しています。

この意見には、明確に指摘できる間違いが2つあります。

1.生命保険は宝くじや馬券のように「突発的な収入を得るために」加入するものではなく、人生のリスクヘッジとして加入するものであること。そもそも目的が違う。

2.保険は”当たらない”宝くじではない。人はいつか、必ず、天寿を全うします。敢えてその、当たる・当たらないという表現を使うのなら・・・、100%当たります。

生命保険とは、病気や死といった不測の事態に際して金銭的な負担を軽減する機能を強く有した金融商品ですから、「勝った・負けた」と論ずる商品性ではありません。

要は、人生のリスクヘッジのために加入する商品であり、自動車保険や火災保険となんら変わりません。お金儲けをするために生命保険に加入する人なんて、1人も存在しないでしょう。

それに、保険は”当たらない”宝くじと平気で口にしていますが、いつから人間は永遠の命を手に入れたのでしょうか。

一応この本では、例として「10年間の保障のある保険に加入した場合・・・」とツラツラ書いていますが、なぜ”10年間限定”の話で論を進めるのかも説明不足です。

世の中には保障の期間が限定される保険だけでなく、いつ万一のことが起きても保険金が支払われる保険も存在します。(隠れた商品ではなく、誰しも満遍なく加入可能です)

その話をせずに、最初から一定期間の保障の保険”のみ”を例に挙げるのはミスリードと言われても仕方ありません。

まあ、一般消費者が「保険で損はしたくない」と考える日本の生保マーケットにおいて、敢えて宝くじや馬券を例にするのは信頼を得るためのテクニックとしては上手だと思いますが、本質からは全く持って外れています。

とは言え、「保険で損したくない」という消費者の方の気持ちや考えは至極全うであるわけですから、だとしたら「保険で損をしないで済む設計」を提示してあげれば良いことだと考えるのはオカシイでしょうか。

例えば、契約者が保険会社に支払う保険料の総額(値札)が1000万円だとして、

1.現役時代に万一の際があったとしたら、1000万円以上の保険金を受け取ることができ、

2.無事に長生き出来たとしても、いつか必ず受け取るであろう一生涯の保障も1000万円残っているとしたら、、、

これ、「99%外れる宝くじ」と言えます?

100%受け取れる宝くじであり、しかも、支払った額と同等のお金を保険会社から受け取れるのなら、「全く損していない」ですよね。

要は、生命保険が悪いのではなく、その保険設計に欠陥があるから大損してしまうのであり、生保マンでさえもその正しい設計を知らないものだから、生命保険を宝くじや馬券に例えるといった飛び道具的な論調で顧客を納得させる方法しか見つからないのです。

もっとシンプルにいきましょう。

生命保険はリスクヘッジのための金融商品です。お金儲けのための商品ではありません。

だからと言って、生命保険で大損していいなんてことはあり得ません。

生命保険で大損しないための肝は、「保険設計」にあります。

たった、これだけのことなのです。

ですから、生命保険で大損したくなかったら・・・、正しい設計を提示してくれる専門家からのコンサルティングを受講しましょうね。

それが一番の近道なのですから。

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